力みを感じさせないスイングに弾かれた打球は、ぐんぐん伸びて右翼席に飛び込んだ。中日のブランコが四回、吉川から逆らわずに運んだ一発は「当たれば飛ぶね」と、あらためて石嶺打撃コーチを喜ばせた。六回には坂元から左前打も放ち「タイミングさえ合えば、左右どちらにも打てる」というブランコは、

「右越え本塁打は投球に合わせた結果」

と淡々と振り返った。オープン戦１１試合で打率２割８分６厘、３本塁打。ウッズが抜けた打線の４番候補として、これまで攻守で安定した動きを見せている。苦手な変化球にも首脳陣のアドバイスに熱心に耳を傾け、スタンスを狭めることなどで対応している。４人の外国人選手枠で投手のチェン、外野手の李炳圭に続く３番手は、

「結果はともかく、自分にできることをやっていくだけ」

と静かに闘志を燃やしている。（サンケイスポーツ）