中日藤井、イチロー超えのOP戦31安打
2009/03/29
オープン戦首位打者の中日藤井淳志外野手(27)が「イチロー超え」を果たした。28日、楽天戦(ナゴヤドーム)の6回、中前打を放ってオープン戦31安打目を記録。94年オリックス・イチロー(当時は鈴木一朗)の30安打を15年ぶりに抜いた。激しい競争を勝ち抜いて開幕中堅を決定的にした絶好調男が開幕を前にしてさらに箔(はく)を付けた。きれいなライナーが中堅へと抜けた。6回、楽天の長身右腕グウィンの内角直球にバットを最短距離でぶつけた。これがオープン戦31本目のヒット。94年にオリックス鈴木一朗が記録した30安打を15年ぶりに抜いた。オープン戦とはいえ、藤井があのイチローを超えた瞬間だった。
「きょうはいろいろなことを考えないように、とにかく積極的に行こうと思っていました」
新人だった06年以来、3年ぶりに両打ちに戻したのをきっかけにオープン戦好調を持続。打率3割9分7厘と首位打者を独走するが、前日は5試合ぶりの無安打に終わった。相手の内角攻めを意識するあまり外角球が遠く見えてしまい、見逃し三振を2つ喫した。だが、すぐに修正できるのが今の藤井だ。左打席で内角球を打つ時にバットが下から出るクセを居残り特打で矯正すると、一夜明けで見事に内角球を打ち返した。オープン戦最後となるきょう楽天戦で藤井が32本目の安打を放てばまた1人、偉大な先人に肩を並べることになる。70年の張本(東映)。日本記録3085本を誇る安打製造機だ。たかがオープン戦と言う人がいるかもしれない。だが、藤井はやぼな謙遜(けんそん)などしない。
「僕にとってはオープン戦の開幕戦が(シーズンの)開幕のようなものだったんで…。光栄です!」
94年のイチローは日本記録の210安打を打ち、70年の張本は歴代4位のシーズン打率3割8分3厘を記録した。残した数字を素直に自信に変えて、開幕へと向かう。(日刊スポーツ)
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