中日は二回、初スタメンで出場したドラフト１位のルーキー野本・野本が、プロ入り初安打となる１号２ランを放ち２点を先制した。さらに三回にはブランコの２ラン、四回に藤井のソロと続いて序盤に横浜の先発・グリンをノックアウトした。打球が右翼席の最前列に吸い込まれると、ダイヤモンドに初々しい喜びがはじけた。中日のドラフト１位ルーキー野本が初先発出場で先制２ランを放ち、力強く左拳を突き上げた。舞台は二回一死一塁、フルカウントからグリンの投じた第７球。高めの１４１キロを思い切り振り抜いた。

「真っすぐ１本で待った。ガッツポーズをした記憶がない」

無我夢中のスイングから鮮烈なライナーを描き出し、地元ファンの期待に存分に応えた。昨秋のドラフト会議で、打撃センスを見抜いた落合監督がスカウト陣の反対を押し切って１位指名した２４歳の逸材。途中出場した開幕戦は１打席に立って左飛に倒れたが、２戦目で早くも素質の片りんを見せた。

「ぼくはホームランバッターではないので、初ヒットが本塁打というのは出来過ぎかな」

と照れながらも、

「出るからには勝ちに貢献したかった」

と胸を張った。徹底指導を受けてきた首脳陣には、

「結果で恩返しをしないといけない」

ときっぱり。夢だったプロの世界で、第一歩を華々しく刻んだ。（サンケイスポーツ）