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中日・野本、初スタメン初安打がいきなり決勝弾!

2009/04/05

 打球が右翼席に飛び込むシーンまでは記憶にある。が、そこからは夢心地だった。一塁を回った直後の左腕での大きなガッツポーズも覚えていない。2回1死一塁の第1打席。ドラフト1位・野本のプロ初安打は右越え先制2ランだった。

「入るとはまったく思わなかった。入った瞬間から、三塁を回るまでは“フワーッ”とした感じでした」

プロ初スタメンとなったルーキーが初々しくメモリアル弾を振り返る。決勝弾となった一発は12球団の新人第1号。2-3からグリンの高めストレートをフルスイングした。昨秋のドラフトで“わがまま”を押し通して1位指名してくれた落合監督と立浪兼任コーチ。2人の天才打者にキャンプから密着指導を受けてきた成果が、ここ一番で発揮された。

「上からしっかり叩いて、いいバックスピンがかけられました」

記念のホームランボールは、立浪がすぐに関係者に探しに行かせたおかげで無事に野本の手元へ。

「実家に送ると思うけど、まずは家に飾ります」

とはにかんだ。まじめすぎる性格で、この日の人生初のお立ち台では最初の質問に、

「はい。そうですね」

と答えた後、言葉が出てこず沈黙。キャンプでも練習をしすぎた影響で、3月20日のソフトバンク戦(ヤフードーム)後に左足の張りで離脱した。以降のオープン戦には出場していないが開幕1軍に選ばれたのは首脳陣の期待の表れ。無限の可能性を証明する一発だった。(スポーツニッポン

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