大きくする 標準 小さくする

落合監督オレ流カク乱戦法「捕手は小山」

2009/04/15

 これがオレ流かく乱戦法だ。中日は14日の阪神戦(甲子園)で、合同トライアウトを経て入団した小山桂司捕手(28=日本ハム)を先発起用したが、開始10分前に雨天中止が決定した。新戦力の移籍後初スタメンはお預け。それでも意表をついた起用で、阪神へ揺さぶりをかけた。中日は昨年6勝17敗1分と大きく負け越した阪神に対し、15日以降も戦力をフルに使って勝ちにいく。雨天中止を伝え聞いた小山は、苦笑いでベンチ裏の通路に現れた。移籍後初スタメンを告げられたのは試合前練習のとき。思わぬ抜てきにアドレナリンが体中を駆けめぐった。集中力は極限まで高まっていた。だが、開始10分前に中止が決定。

「残念? でも、考える時間ができました。ボクはプレーで表現していくしかないですから」

狭い通路を歩きながら、かみしめるように話した。落合竜は小山起用で阪神打線をかく乱するはずだった。正捕手谷繁が7日のヤクルト戦(神宮)で右ふくらはぎ肉離れのため離脱して以降、スタメンで送り出したのは小田。だが1勝4敗と負け越し、リードの傾向を変えたい思惑があったもよう。経験豊富な清水将を使う手もあったが、あえて通算出場29試合(日本ハム時代の08年に27試合)と1軍3捕手でもっとも経験の少ない小山を選んだ。鬼門突破への一手でもあった。昨季最も分が悪かったのが6勝17敗1分の阪神。しかも甲子園では2勝9敗と大きく負け越している。チーム力は丸裸にされており、新戦力を効果的に使う必要があった。過去のデータの少ない小山は、一方で3月17日の阪神との無観客練習試合(甲子園)で先発マスクをかぶり、3-3の引き分けに持ち込んだ実績もあった。肩すかしをくらった落合監督は、それでも平然としていた。

「(中止決定が)遅かった? そんなことないよ。うちに決定権ないもん。ホームチームが決めてビジターはそれに従うだけだ。(微妙な天気でも)試合をやるつもりでいないと。やればそのまま入っていけるし、だめならああそうですかというだけだ」

早くも次戦に目を向けた。15日以降も、持てる戦力をフルに使った戦いを仕掛けていく。ウッズ、川上、中村紀が抜け、守り勝つ野球への原点回帰を掲げる今季。状況に応じ、小山が先発マスクをかぶる試合も増えそうだ。だれをどのタイミングで使い、いかに効果的に働かせるか。オレ流監督はV奪回に向け頭脳をフル回転させる。(日刊スポーツ

Time

Left Dragons Mobile

観戦のお供に。