“新・ハマキラー”の一振りが試合を決めた。１－１の延長１１回、先頭の藤井が横浜の守護神・石井のスライダーをフルスイング。右方向に高々と舞い上がった打球が、右翼ポール際に飛び込んだ。その後、試合がもつれたものの結果的にはこれが決勝弾。チームを巨人に続く史上２球団目のセ・リーグ通算４０００勝に導いた。

「ホームランはたまたまですけど、このところ勝利に貢献できていなかったんでうれしいです」

入団から昨年までの３年間で３本塁打だった男が、これで今季６号。とりわけ、横浜戦では３戦連発を含む４発と大当たりだ。最下位転落危機だった前日の試合前。チームが負けるごとに交代する、円陣の声出し役の順番が回ってきた。

「いい天気だし頑張っていきましょう」

と鼓舞してから２連勝。

「ずっと僕が続けられるようにしたい」

と笑顔がはじけた。この日先発で力投を見せた川井とは昨秋、ドミニカのウインターリーグに一緒に参加した戦友。５年目の川井、４年目の藤井ともに昨年までは目立った実績はない。投打ともに今年の中日を象徴するような“新戦力”の活躍が光った。（スポーツニッポン）