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中日・岩瀬“勲章”200S達成!史上4人目の快挙

2009/05/13

 ガイエルのバットが空を切っても、ど派手なガッツポーズは出ない。少しはにかんだ笑みを浮かべながら、谷繁とがっちり握手。これが岩瀬だ。球界を代表する守護神となっても、謙虚で実直な人柄はそのまま。コツコツと積み重ねた200ものセーブは、そんな仕事人の努力の結晶だった。

「まだピンとこないですが、よくここまで来られたなと思います。毎日毎日の積み重ねでここまで来たので、これからも続けていきたい」

数々の記録を塗り替えた鉄腕に、また1つ勲章が加わった。リーチをかけてから4試合出番がなかったが、この夜はヤクルトのクリーンアップを3人でピシャリ。史上4人目の通算200セーブは一発で決めた。

「記念球はもらいました。とりあえず一発で決めようと思っていたし、ホッとしましたね」

落合監督が就任した2004年から本格的に抑えに転向。

「200セーブの原点はあのシーズン初めの悔しさだろう」

と指揮官は言う。開幕直前に不注意で左足小指を骨折。何とか開幕に間に合わせたが5月までに5度も救援に失敗した。マウンドに上がると、中継ぎ時代は歓声を送ってくれたファンからブーイングを浴びることも。

「オレにも経験があるけど、それが野球なんだ」

2軍で再調整させる手もあったが、落合監督は、

「それではあいつに何も残らない」

と使い続けた。岩瀬の底力はこんなもんじゃない-。プロ入り後、初めて味わった逆境を乗り越えた左腕はその後、さらに頑健な鉄壁となって他球団に立ちはだかることになった。全盛期ほどの球威はなくなったかもしれない。それでも指揮官、チームメートの信頼は全く揺るがない。

「最多セーブの更新?できるだけ頑張ります」

どこまでも控えめな左腕が、今後も淡々とチームの勝利を確定させていく。(スポーツニッポン

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