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中日・井端、熟練の読みで延長制し“サヨナラ打”

2009/05/16

 熟練の読みと駆け引きを、最後は気持ちが超越した。0-0の延長10回2死二塁。カウント0-1からの真田の高めのスライダーをはじき返した井端の打球が左翼手・内川の頭を越える。二塁から谷繁が悠々とホームイン。サヨナラ劇のヒーローに、ベンチを飛び出したナインが殺到した。

「打った瞬間、外野を越したと思った。これまで真田のシュートにやられていたんで、シュート狙いだったけど“ないかな”とも思っていた」

井端が狙い球ではないスライダーを完ぺきにとらえられたのには、伏線があった。真田は6日の巨人戦で得意のシュートを坂本にサヨナラ本塁打された。そのことを和田から教えられており、

「シュートはないかも」

と思っていたという。

「それでも80%はシュート狙いだったんですけどね。まあ、最後はとにかく“行け!”って気持ちで打ちました」

2日前の13日のヤクルト戦で川島慶の打球を右手首に受け、途中交代。目に見えて腫れ上がっていた。それでも、出場が危ぶまれた前日もフルにプレー。それどころか、負傷をプラスの力に変えていた。

「きのうより痛かったけど、影響はない。むしろバランスが良くなったかな。ちょっと打席でかぶり気味だったんで」

打線の援護なく、これまで勝てていなかった吉見に白星をつけたのも大きい。チームの低迷ムードを一掃しそうな値千金のサヨナラ二塁打だった。(スポーツニッポン

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