勝負を決めたのはやはりこの男だった。１点を追う６回無死一塁。ここまで好投のロッテ・小野の初球の外角スライダーにブランコのバットが食らいついた。左手だけで振り抜いた打球は、広いナゴヤドームの右翼スタンドへ一直線。リーグトップに並ぶ１５号逆転２ランが決勝弾となった。

「片手だったね。ビックリしているよ」

驚異の怪力だ。しかも狙っていたのは内角球だったというからすごい。

「スコアラーからインコースが多いと聞いていたんだ。でも、手を伸ばしたらバットに当たったという感じだね」

交流戦で早くも７本目の本塁打。この日も２安打で打率を・３１０まで上げたが、好調の要因となっているのは“焼き肉パワー”だった。

「日本の焼き肉がとてもおいしい。牛肉が力の源になっているのかもしれないな」

得意の接戦をものにしてチームは４月１６日以来の貯金１。７度目の挑戦でついに白星が先行した。エース格の吉見の力投と主砲の一発。一気に波に乗れそうな快勝だった。（スポーツニッポン）