情け容赦ない猛攻だった。５連敗中の楽天にプレーボールと同時に中日打線が襲い掛かった。初回に３点、２回に６点。この時点でほぼ勝負は決したが、終わってみれば今季最多タイの１９安打、最多の１５得点。３度目の先発全員安打も達成し、一方的に打ち負かした。

「何もない。こういう試合で何か言ったらバチが当たる」

楽天サマサマの楽勝だっただけに、落合監督は報道陣の質問を受け付けずにバスに乗り込んだ。大量得点のスタートはやはり主砲の一撃だ。初回１死一、三塁からブランコが、

「ストレート。完ぺき」

という先制１７号３ラン。１２－０の７回には、セ・リーグのホームランキング独走となる１８号ソロを左翼スタンドに放り込んだ。７日の西武戦後に打線について、

「周りが見えていない。力がないヤツが頑張ろうと思っても打てるわけがない」

と、苦言を呈した指揮官。９日に野本を抹消し、この日は藤井をスタメンから外したのも若手の発奮を促すためだ。代わって先発出場した英智、小池がともに２安打の活躍。さい配がピタリとはまったのも楽天投手陣のおかげだけに、内心ではほくそえんでいたはずだ。（サンケイスポーツ）