中日の先発吉見の出来は悪かった。制球が売りのはずの右腕が三回までに４四球２暴投と荒れ、３失点。三回の守りでは中堅手の藤井が平凡なフライを見失って二塁打としてしまうミスもあり、流れでいけば完全に負けパターンだった。しかし、今の打線にはそれを上回る勢いがあった。四回１死一塁、森野が２試合連発となる右越え２ランを放って口火を切り、２死後に和田の左越えソロで同点。

「みんなに助けてもらった」

という吉見がその裏を３人で片付けると、五回２死一、二塁で再び森野が右前に適時打を運び、試合をひっくり返した。前夜は九回の逆転２ランでヒーローになった森野は、

「得意とはいえない大竹君を、何とか打ちたかった。追い上げと勝ち越し、いいところで打てた」

と喜色満面。前回対戦した５月５日は７回を無得点に抑えられていただけに、価値は大きい。５連勝が今季初なら、貯金５も今季最多だ。これまでもう一つかみ合わなかった投打の両輪に、徐々に信頼関係が生まれつつある。（サンケイスポーツ）