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中日・藤井「集中した」逆転満塁弾で今季初7連勝

2009/07/01

 雑念はすべて振り払った。目の前の1球に極限まで集中力を高めた藤井のバットが見事に下柳のスライダーをとらえる。ライナー性の弾道が、阪神ファンの悲鳴が待つ左翼スタンドの最前列へ。走り始めてから、逆転のグランドスラムだと気づいたヒーローは、一塁塁上で力強くガッツポーズをつくった。

「あまり実感がないというか(最初は)満塁弾とは思わず走っていた。これまで満塁だとか、走者何人とかを変に意識していた。だから、とにかくその打席に集中しようとしていました」

値千金の一発が飛び出したのは1-4の6回だった。1死満塁の第3打席。3球見逃し、カウント1-2からの4球目の狙い球をしとめた。5月25日の日本ハム戦以来、1カ月ぶりの8号はプロ初の満塁弾。今季は7打数1安打1打点、4三振と不振だった満塁機で、最高の結果を出した。開幕から打率3割前後をキープしていたが、攻守に集中力を欠くプレーがあったことが落合監督の逆鱗(げきりん)に触れ、6月10日の楽天戦からスタメン落ち。17日のソフトバンク戦で先発復帰してからは、

「試合に出て野球しているのが当たり前じゃないというのを強く思い出した」

ともう1度、自分の現状を見つめ直した。主力は休みだった23日にはウエスタン・ソフトバンク戦に志願して出場し左腕の陽、森福から右打席で3安打。

「最近、右打席に立っていなかったんでいい収穫」

と話していた。休日返上の成果が、まさにこの日の下柳打ちだった。これで今季最多の連勝は7まで伸びた。連勝のスタートはくしくも藤井の先発復帰と重なる。強力クリーンアップに続く6番打者の成長で、快進撃は止まりそうにない。(スポーツニッポン

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