＜中日９－５ロッテ＞名刺代わりの一発だった。滞空時間の長い打球が、左中間席中段で大きく跳ねた。推定飛距離１４０メートル。中日の新４番候補・ブランコが本拠地初試合で来日初アーチを放った。

「ようやく打てた。ちょっとホッとしている」

練習試合を含めると６試合１６打数目。待望の特大弾が飛び出したのは５回。先頭打者で打席に立つと、カウント１－３から甘く入ってきた直球を完ぺきにミート。「打球がどこへ飛んでいったか分からなかったよ」というパワーは、昨年まで在籍したウッズに負けないインパクトを与えた。反応の鋭さを見せた一発でもあった。「あの時は変化球を待っていたんだ。日本の投手はカウント１－３からでも投げてくるから」。来日約１カ月。まだ日本独特の変化球には慣れていない。事実、前の２打席はともに三振に倒れていた。だが「第１打席は体が前に突っ込みすぎていた。それを踏まえて我慢した」。手探り状態の中での結果にニヤリと笑った。

「大リーグにも匹敵するスタジアム。素晴らしいよ」。

ナゴヤドームへの好印象を口にしたブランコが、最高の形で成功への第一歩を踏み出した。（スポーツニッポン）