大ブレークの前兆か。今オープン戦２冠王の藤井が４試合連続安打で今ＯＰ戦通算３０安打。９４年のイチロー（当時オリックス）以来１５年ぶりとなる“大台”に到達した。

「１試合、１打席を大事にしていくだけ。何本打ったとか数字は考えない。積み重ねるのみ」

天才と肩を並べたのは初回だ。無死一塁で迎えるとカウント１－２から開幕投手が決定している清水の変化球を遊撃深くに転がした。数々の日米球界記録を塗り替え、ＷＢＣで決勝適時打を放ったイチローの名を知らしめたのは、日本球界初のシーズン２００安打を成し遂げた９４年。そのキッカケがオープン戦での活躍だった。そのイチローが２４試合出場で８７打数だったのに対し、藤井は１９試合出場７０打数。いつも通り謙虚な姿勢を貫いたが、天才よりも少ない打数だけに価値がある。同郷・愛知県が生んだイチローの歩んだ道を、今季は藤井が歩む番だ。（スポーツニッポン）