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中日キャンプ前半終了、落合監督に聞く 判断力を実戦で養う

2009/02/17

中日の沖縄キャンプは折り返し点を過ぎた。昨年とはメンバーが違うチームになるため、練習内容にも変化がある。今年の取り組みなどについて落合監督に聞いた。 (聞き手・村井博美、高橋広史)

-前半が終わった。状況を設定した打撃など、より実戦向きの練習が多い。

今、このチームに何が必要なのかということ。これまでとはメンバーが変わる。今までは実戦を積まなければいけないメンバーではなかった。これからは全員が状況を考えてプレーしなければいけないということを要求される。

-昨年のように個々の選手に任せることができない。

 大砲が10門も20門もあるわけじゃない。大砲はゼロとして考えれば、今までのような野球というわけにはいかない。サインを見る練習も必要。間違えるやつもいる。それも今なら許される。何かとっかかりを見つけながら、問題を一個ずつつぶしていかなくてはいけない。今、井端がいない。いなくてもいいように選手をつくっていく。

 -監督の見方も変わった。

 メンバーが変わる、ポジションが変わる中では時間が必要になる。間違いが起きると想定した通りの間違いを起こす。こういう選手をある程度、見てあげなきゃいけない。総合力で判断するのではなく、多少の欠点には目をつぶり、その欠点を補う選手を見つける。これが今年の戦い。

 -実戦では問題が分かりやすい。

 それで覚えてくれりゃそれでいい。一回で直る選手もいれば、何回言っても直らない選手もいる。それで駄目とはいえない。その判断はできない。なぜならチームが変わるから。ポジションが変わらないのは和田と李炳圭(イ・ビョンギュ)だけ。あとはみんな変わる。だから確認作業がいる。それが許されるのはオープン戦まで。これは昨年の反省点でもある。昨年のやり方と違って当然。

 -毎年、チーム状況は違ってくる。

 言い回しが変わっただけで、就任した2004年に戻った。この選手の特徴は何か。メンバーの中で何がたけているのか。それだけではレギュラーは取れない。下手な部分を練習し、平均点まで持っていけるのか。今現在、そういう選手はいない。

 -投手もメンバーが変わる。

 決まっているのは岩瀬だけ。そのうち練習試合が始まるから、落ちていく選手をどうやって戦力にするのか、上がってくる選手をどう維持させるか、それがこちらの仕事になる。

 -和田、小池が内野守備の練習をしている。これもチームが変わる一環。

 これは短期的なもの。この1試合、2試合が限定。最終的に守備に就かなくてはいけないときを想定して準備させている。非常事態に備えるため。実際に試合で和田は一塁を守ったことはあるし、小池も一、三塁に入った経験がある。そのポジションでレギュラーを取るなんてあり得ない。これでまた新しい流れが出てくる可能性もある。ほかの選手が刺激を受ける。

 -昨年、左肩を痛めた荒木と腰を痛めた谷繁がずっと別メニュー。

 2人とも開幕には間に合わないかなと思っていた。思った以上に動けている。最悪のシナリオより体の状態はよくなっている。

 -キャンプ中の練習試合も多い。

 沖縄でのオープン戦2試合は若手主体で臨む。若手のために練習試合と地元でのオープン戦をたくさん組んだ。欠点が大きすぎればレギュラーは取れないが、守備、代走、代打などで1軍の試合に出場できる。こういった経験をしながら将来のレギュラーを狙うという階段を上る。その芽は摘んではいけない。

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