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WBCの裏で淡々とシーズン準備

2009/03/30

 日本列島はWBC連覇という美酒に二日酔いだ。テレビの情報番組では朝からWBCの話題を扱っている。そんな中、ナゴヤドームではテレビ関係者のこんな会話が聞こえてきた。

「WBCの視聴率は名古屋は他の地域より約10%ほど低いらしいよ」

 
12球団で日本代表選手がいないのは中日だけ。それだけに名古屋の空気はちょっと違うらしい…。では落合監督や選手たちはWBCをどう見ていたのか。記者には極めて冷静に映った。

 16日、侍ジャパンが第2ラウンド初戦を戦った日、チームは札幌から大阪への移動日だった。新千歳空港で飛行機を待っていた落合監督はにやりと笑った。

「最近、楽で仕方がないだろう」

確かにWBC一色の紙面の中、国内プロ野球を扱うスペースは小さくなっていた。指揮官はそれを指摘したのだ。では落合監督が早朝からのキューバ戦を観戦していたかと言えばそうではない。

「そんなに早く起きるわけないだろ」

と一笑に付した。

 また18日、日本が準決勝進出を決めた日、チームは広島から福岡への移動日だった。てっきり広島のホテルでWBCを観戦してから移動するかと思いきや、全員が試合途中に移動を始めた。「キューバ戦? ちょっと見たからいいよ」。荒木も淡々としていた。

 ちなみに最も熱かったのは元韓国代表の李だ。試合前の練習中にWBCの途中経過を見ては興奮していた。また広報部・韓国担当の田氏は決勝戦、林がイチローと勝負して2点タイムリーを打たれた場面に「じつはベンチから敬遠のサインが出ていたのに投手があえて勝負したそうです。イチローを抑えれば韓国では英雄だから。僕なら? もちろん勝負」と胸を張った。

 それぞれのWBC観戦。1つだけ言えるのは落合監督以下、選手たちは全国が熱狂する「お祭り」の裏でシーズンへの準備に没頭してきた。WBCフィーバーに乗り切れない東海地区のファンを熱くするために、オレ竜は勝つしかない。(日刊スポーツ

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